第1回。欲望と失望。

「限りないもの、それは欲望」井上陽水の名曲のワンフレーズ。そう、人の欲望ほどきりの無い物はない。3大欲求といわれる食・睡眠・性はもちろんだが、私たちはあらゆるモノを求めて働き、物欲を満たそうとする。それはまさに消費社会の象徴ともいうべきものかもしれない。このコラムでは、そういった人間の物欲に迫っていきたいと思う。ジャメヴュモンドのなかでもかなりシリアスでお堅いページになってしまいそうな予感がすでにしているのだが、一つくらいそういうページがあってもいいじゃないか。
そもそも、もともとはこのコラムでは、モノ好きな僕が、話題の新製品やら、珍品、名品を紹介するはずだったのだが、いざ真剣に考えてみるとこうなってしまったのだ。
。。。ちょっと長くなってしまった。本題に入ろう。
 東京は刺激が強い街だ。選択肢があまりにも多いと、どれか一つという選びかたはできない。それはなんでもいいけど、たとえば本屋にいってみてもそうだ。僕が以前すんでいた沖縄や、今すんでいる埼玉北部なら、本屋といっても正直限られていて、いくら本なら何でもそろうといった看板を掲げてみたところで、そろうはずがない。レコードやCDだってそうだろう。地方には限界がある。だけど東京は違う。8階建ての本屋やCD屋さんだって存在する。当たり前かもしれないけど、それが現実だ。だから東京が最高で地方はダメだっていうわけじゃない。かならずしもいいものだけが東京にあるわけじゃなく、もちろんよくないものだってある。そういう情報過多のなかで、いいものを見つけるというのは至難のことだろう。全部欲しい、そうなったらもうきりがない。かぎりなく無限な欲望との葛藤の日々を送ることになる。
失望。期待と同時に僕が東京で抱いたもの。「いっぱい眠りたい」「おいしいご飯が食べたい」「セックスしたい」「○○が欲しい」、全部は無理なんだ。だからそのバランス実験をしながら人は生きているんだ。きっとそれは大都会ほど難しい実験だろう。
次回未定。もしかしたらあるモノについて取り上げて行くかもしれない。

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Last Update : 2003/01/29